ボーンアイデンティティの映画感想

改めて1作目から見始めていますが、やはり私は第一作目が一番好きですね。

なんといっても、自分が何者か分からない(けれど、戦闘術をはじめさまざまな知識がある)という非情に大きな不安感と、常に追手の気配があるという緊張感。 このふたつがあるからこそ、本作の追走劇は印象的で、とても面白みがあるのです。

そして圧倒的不利な状況に常に置かれていつつも、ジェイソン・ボーンのしかける頭脳戦・心理戦によって最新鋭の追手を巻く・倒すという点も、観客に痛快だと思わせています。

そうした強さを見せるジェイソン・ボーンですが、単に完全無欠という描き方ではなくて、知れば知るほど不安になる……しかし知らずにはいられないという苦悩ですとか、無用な殺生はしたくないという、彼の正体らしからぬ人間像も魅力的ですね。

さすがに何度も見ていますので、ここが新鮮!とかなんだとか、まるで始めてみた作品のように改めてレビューするのは難しいですね。 それゆえ、短めの文章となります。

一連のリズム・テンポ・展開をとってみても完璧な配分であるのが、シリーズでは本作!と感じて疑わない出来です。 もちろん以降の作品も素晴らしいアクション映画ではありますが、最もうま味を閉じ込めた作品といれば、このボーン・アイデンティティでしょうね。

スリリングなアクション映画が好きなら、見ておくべき作品です。