映画ディセントは洞穴の中で化け物に襲われる映画です。こんなの怖いに決まっている、そもそも洞窟自体それだけで怖いのに、、、、
必然性や理屈に詰めの甘い部分が多いかもしれませんが、それに突っ込むのはこの手の映画では野暮と言うもの。素直に楽しもう。
「0:34」に出てきたあいつと何となく似た感じのあいつ、ああいう、あいつの姿はブリティッシュホラーのひとつの典型と化しつつあるのでしょうか。

序盤「私ら、トゥームレイダーじゃないんだから」とご謙遜されてますが、終盤にはトゥームレイダーを越えるマッチョぶりを発揮、かっこいいです。こういう演出好き。今風の女性大活躍映画の時流に乗っているとも感じます。

もう少し詳しく言うと、女ばかりで洞窟探検、この設定が効いてます。とてもいいです。固い義務的友情で結束するわけでもなく、個より集団を優先することもなく、つまり社会性と力の誇示と単細胞で出来ている男たちによるドラマでは、こういう面白さはなかなか作れないであろうと思います。
何かにつけて予想外だし、基本的にホラーだから女性が怖がる方が様になるし、人間関係よりも個人の思いや直感を重視して生々しく生きるその力に感動しますよ。

前半の洞窟探検が良く撮れています。
最初はこの映画がどういう展開をする映画か全く知らずに見たので、最初の狭い洞窟で狭く苦しむシーンだけでも相当楽しめました。というか苦しめました。
洞窟で迷い、辛い目に遭う序盤はそれだけで独立できそうな面白さです。
で、最近のトレンドでもある「後半にぶっ飛び展開」という、そういう面白さもたっぷり楽しめます。なんだか途中から映画が変わってしまうみたいな感じですが、そこを敢えて楽しむのが今風です。
そしてその展開と同時に広がる女たちのドラマ。これがいい味付けになっていて、ただ単に単純なあほみたいなホラーってところから一歩飛び出しています。

というわけで結論としてはたいへんよい映画で、ホラー好きの方には大いにおすすめできます。