映画トライアングルの映画レビュー

この映画、できれば前情報無しで観ていただきたい。……というわけで、この映画、非常にぼく好みだった。確実に面白い。

分かりやすいプロット、先が読めない展開、そして意外性のあるラスト。鑑賞後にあれやこれや話したくなる余白も含めて楽しい作品だった。

いわゆる“ループもの”と呼ばれる作品で、繰り返す運命を捻じ曲げ、そこから抜け出すために主人公のジェス(一児の母)が奮闘するというストーリー。……なんだけど、そのループの仕方が気味悪い。

主人公の意識や記憶はそのままに、それ以外の全てがあるきっかけで繰り返してしまう……っていうのがよくあるループものだと思うんだけど、「トライアングル」はちょっと違う。

繰り返す、というより“増える”のだ。

舞台は海の上。ヨットで遭難し、助けを求める男女五人が巨大な無人旅客船に侵入するところから世界が歪みはじめる。

見えない敵、自分と同じ姿の“何か”と対峙しながら、仲間を失い孤独になったジェスが甲板で呆然と海上を眺めていると……なんということでしょう。そこにはヨットで遭難し助けを求めている男女五人の姿が……。

そう、たった数十分前の自分たちが、海の遠く、どこからともなくやってくるのだ。

彼らは増える。全員死ねば同じようにまた客船に流れ着き、船上の一角に死体が溢れる。唯一生き残る運命のもと“ループ”の数だけ存在するジェスたちだけが、“ループ”から抜け出すために奮闘する。

なぜ世界が歪んでしまったのかってのは置いておいて、とにかく脱出のために必死なジェス。終盤まではとにかく彼女を応援しつつドキドキしていられる。
船上で起きていることがどう収束していくんだろ、っていう期待も高まっていくので、飽きずに楽しめられるのだ。

この時間がとにかく楽しい。先を予測しつつ、それでも裏切られるであろうラストに向かって走っていくストーリーに思いっきりワクワクできた。

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